健康診断で、高血圧と判定された。

中性脂肪の値も気になる…。

若いころはどうもなかったのに…。

特に30~40代から見られやすい傾向といえるでしょう。

これらは生活習慣病といわれ、飲酒や肥満などが起因しています。

まずは食習慣を見直すところから始めていきましょう。

「肥満」を予防すること

肥満は、体内に体脂肪が過剰に蓄積した状態。

エネルギー摂取量>エネルギー消費量 という状態が続くことで肥満を招きます。

まずは、あなたの肥満指数(BMI)を算出してみましょう。

BMI=体重(kg)÷身長(m)²

(例)体重が80kg、身長が175cmの男性だとすると、

BMI)80÷1.75²=26.1224…≒26.1 となります。

BMIの評価方法
18.5未満:やせ
18.5以上25.0未満:標準
25.0以上:肥満

従ってこの男性は、「肥満」という評価になります。

メタボリックシンドロームの診断基準
いわゆる「メタボ」といわれる内臓脂肪症候群。メタボの診断はメジャーさえあればすぐに測れます。
①腹囲(へそまわり)をメジャーで測る。
②下記基準に該当したら、メタボリックシンドローム。

性別 腹囲(へそまわり)
男性 85cm以上
女性 90cm以上


 

「塩分」を意識すること

普段から塩分を意識して食事していますか?
という私も、栄養の勉強をするまでは塩分については全く気にしていませんでした^^;
栄養の世界は数字の世界。
塩分も、「塩分パーセント」という計算方法で出すことができます♬
↓計算式はこちら


調味料の重量 = 材料の重量 × 調味パーセント(%)/ 100

例えば、材料100gの野菜に塩分パーセント1%の炒め物を作ろうと思ったら、食塩は何g必要ですか?
<答え>食塩の重量=材料の重量(100g)×調味パーセント(1%)÷100=1g
1gの塩分が必要ということですね!
1gの塩分ってことは食塩は何g必要なんでしょうか?
食塩は、成分表の「食塩相当量」が100gあたり99.5gですので、1gの塩分が必要であればほぼ1gで大丈夫です。
(厳密にいえば、0.995gですが。)

しかし、醤油や味噌を使う時には、1gの塩分が必要な時には、それぞれ何g使用すればいいのでしょうか?
ここで確認が必要なのは、醤油と味噌の「食塩相当量」です。
醤油はよく使う「こいくちしょうゆ」、味噌は味噌汁などによく使う「淡色辛みそ」を見ていきましょう。
・こいくちしょうゆ:食塩相当量14.5g(100g中)
・淡色辛みそ:食塩相当量12.4g(100g中)

従って、こいくちしょうゆで塩分1gを出す場合、単純に1gを加えても塩分は0.145gにしかなりません。
また、淡色辛みそで塩分1gを出す場合、単純に1g加えても塩分は0.124gにしかならないのです!!
ここって、栄養学生も結構最初つまずくところなんですね。

もしこいくちしょうゆだけで1gの塩分を出そうとした場合、
・こいくちしょうゆ:1g×100/14.5=約6.9g必要。

淡色辛みそだけで1gの塩分を出そうとした場合、
・淡色辛みそ:1g×100/12.4=約8.1g必要。ということなんですね。

【補足】
ここの考え方のコツは、調味料の成分を分けて考える数学的思考です。
公式で覚えるのではなく、理解して覚えることが重要です。
こいくちしょうゆの場合、必要な塩分=1gって100gあたり14.5gですよね。
1g:xg=14.5:100 こういう比が出来上がります。
1gの塩分を出したいとき、100gあたり14.5gしか塩分がないこいくちしょうゆは
果たして何g準備すれば1gの塩分を賄えるのか?というのは、この比率で出すことができます。
この式を解けば、14.5x=100×1 よってx=約6.9gということです。
比率で考えると分かりやすいですよね。

さて、それでは代表的なメニューの塩分%(糖分%)を見ていきましょう!
この表は、一般的な塩分濃度ですので、この表からそれぞれさらに少しずつ塩分%を控えていけると高血圧に◎ということですね。
塩分を控える調理のポイントは複数ありますので、それは後程お伝えします。
まずは、それぞれにどれくらいの塩分が入っているのか知っていただければ幸いです。

料理名塩分%糖分%
つくだ煮58
さばのみそ煮
青魚の煮つけ
28
さといもの煮つけ
いりどり
1.2~1.55~6
豚肉のしょうが焼き1.5~23
酢豚1.2~1.55~7
さやえんどうの卵とじ1.23~4
炒め物1~1.20.5~1
おでん1~1.20.5~1
よせ鍋のだし1~1.20.5~1
うどん・そばの温かいつゆ1.5
即席漬け
お浸し、煮びたし1
味噌汁・けんちん汁0.6~0.8
ハンバーグ、ソテー0.6~0.8
吸い物、シチュー、ビーフステーキ0.6
オムレツ、スープ0.5
チャーハン、サラダ0.5

例えば、味噌汁は0.6~0.8%ですよね。
味噌汁のこの数値って、実はそんなに簡単ではないんです…。
味噌汁の塩分って、味噌だけなのでしょうか?
味付けするとき、具材と水と味噌と…だし!!!
そうです、だしの塩分を忘れてはなりません~。
だしの塩分、できるだけ下げたいですよね?
この方法として一番おすすめなのは、「天然だしからだし汁をとること」です。
塩分的におすすめしないのは「顆粒だし」を使うこと。
顆粒だしって実は塩分高めなのです…。
顆粒和風だしは、100gあたり食塩相当量40.6gですよ…💦
ということは、3g使ったらx:3=40.6:100 なので、100x=121.8 x=1.218gの塩分を摂ることになります。
単純によく使うだしは、500gの水に3gの顆粒だしを使うのが一般的なのですが、
その場合だしだけで約1.2gの塩分を摂取。お椀1杯を160gとすると大体3人分。
1人160gの味噌汁に、0.4gの塩分がだしだけで入ることになります。
これだとxを塩分%とすると、160×x/100=0.4 x=0.2%
だしだけで塩分%0.2%になります。
味噌汁の塩分%は0.6~0.8%におさめたいので、160×0.6~0.8%=0.96~1.28gの塩分を入れる。
ということは、0.96~1.28-0.4=0.384~0.88gの塩分が味噌の塩分だけで必要。
0.384~0.88gの塩分を味噌からとろうとしたら、
0.384~0.0.88g:x=12.4:100
12.4x=0.384~0.88g×100
x=3.1~7.1gの味噌が必要です。

それに対して、天然だしだと、3%の煮干しからとった液体だしは100gあたり0.1gしか塩分がありません。
だしの風味はしっかりついているのに塩分が少ないので、ほぼ味噌で塩分を補う形となりますね。
例えば先ほどと同じ160gの味噌汁を作りたいとき、煮干しだしの塩分が0.1×1.6=0.16g、
160gの味噌汁の塩分%を0.6~0.8%とすると、160×(0.6~0.8)/100=0.96~1.28gの塩分が必要。
0.96~1.28gの塩分を味噌汁からとろうとしたら、
0.96~1.28g:x=12.4:100
12.4x=(0.96~1.28g)×100
x=7.7~10.3gの味噌が必要です。

この差ってかなり大きくないですか?
顆粒だしを使う場合、味噌は約3~7gしか使えないのに、天然煮干しだしを使う場合、味噌は同じ塩分%で約7~10g使えます。
しかし、煮干しのうまみ成分も染み出ているので、もっと味噌を少なくしてもおいしく仕上がりますよ♬
なので、味噌を抑えられる=減塩に繋がりやすいのです。
顆粒だしもうまみ成分はありますが、元々の塩分が高いので、入れる味噌の量を減らさないといけません。
でも、あまりこのだしの差を気にせずに味噌を入れてしまいがちなので、どうしても塩分が高くなりやすいんですね。

説明が長くなりましたが、結論は汁物は天然だしからとること減塩におすすめです!!
天然だしを取るとき、いりこを買ってきて鍋に浸水しておいて炊きだしてすくい取って…って少し面倒ですよね。
わたしはだしパックをよく使っています◎だしパックを水にポンと入れておいて、炊きだしてさっと菜箸で取ればいいだけなので簡単です。

★私が使っているだしパック